要約
- 音程を周期的に操作しビブラートの効果を与えるMMLです。
表記
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M{ch}V*1,*2,*3,*4[,*5,*6,*7]
オプション
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パラメータ 意味 範囲 省略値 ch チャネル P, Q, R, S 不可 *1 遅延 0~128 不可 *2 速度 1~255 不可 *3 変化量 -32768~32787 不可 *4 深度 -32768~32787 不可 *5 波形 0~4 0 *6 シンクロ 0, 1 1 *7 振幅補正 -32768~32767 0
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LFOは同時に4種まで動作します。
動作はLFOチャネルで管理され、どのLFOチャネルを使用するかchで指定します。
チャネルはch1=P,ch2=Q,ch3=R,ch4=Sとして指定します。
- 遅延
キーオンされてから処理を開始するまでの遅れを音長で指定します。
例えば「4」と指定した場合はキーオン後、4分音符分経過後に効果が始まります。
遅延なしを指定する場合は 0 と指定します。 - 速度
変化速度の指定を行います。数値が大きくなるほど処理速度がゆっくりとなります。 - 変化量
一度の変化量を指定します。深度を超える指定を行った場合は深度の範囲にクリッピングされます。 - 深度
周波数の振幅を半周期の高さで指定します。ここで指定された倍の振幅幅で効果が得られます。 - 波形
変化をさせる周波数波形を以下より選択します。
詳細は波形別動作図を参照下さい。- 三角波
- のこぎり波
- 矩形波
- ワンショット
- ランダム
- シンクロ
キーオンと同期して動作させるかの指定を行います。- キーオン非同期
- キーオン同期
- 振幅補正
振幅の中心を上下にずらしたい場合に指定します。
「MPV delay,speed,rate,10,0,0,12」とした場合は以下の動作となります。
解説
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LFO(Low Frequency Oscillator)を指定し、音程を周期的に変更します。
音にビブラートの効果をかける場合などに利用します。 -
本コマンド指定後すぐにLFOの動作が始まります。
すぐに動作させたくない場合など、動作の変更はLFOスイッチ『 S{ch} 』で行います。
波形別動作図
- パラメータ値を「MPV delay,speed,rate,depth,波形」とした場合の波形ごとの動作模式図を示します。
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変化量を負の数値とすることで、波形が反転します。
「MPV delay,speed,-rate,depth,波形」とした場合の模式図は以下の通りです。
備考
- 処理は約5msec間隔の独立したタイマで行われており、曲のテンポやクロック指定に影響を受けず非同期に動作します。
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波形「ワンショット」で変化量に負の数値を指定することでポルタメントに利用することが出来ます。
タムの音を再現する場合に利用します。
注意
- 変化後の値が範囲を超えた場合は演奏時に範囲内にクリッピングされます。
用例
- 8分音符分経過後、三角波でビブラート効果、キーオン同期
MPV8,2,1,24,0,1
- ポルタメント(ドラム音色)
MPV0,3,-35,6000,3,1
- Pitch EG
MPV0,2,3,100,3,1,-100